「ウェブオペレーション」を献本いただきました

  • 2011年7月 7日 02:58
  • book

同僚のhmskさんから献本いただいたウェブオペレーション、なかなかまとまった時間が取れていなかったのですが、今週やっと読み終えました。

日本の料理のインフラ

去年、hmskさんが執筆しているときから内容については大筋把握はしていたのですが、 改めてhmskさんが寄稿された18章から読みなおしました。

こういう形で自分の会社のサービスについて、かなり細かな内部なことを客観的に読むことはほとんどないので、 「あぁインフラモニタあるよね。このウィンドウも入社時と比べて種類が増えたもんだなぁ」なんてしみじみ思ったり、 (hmskさん本人も言及されていますが)「いやいやVarnishいま使ってるよねw」なんてにこやかな感じで読んでいたのですが、 フと目にとまったのが「18.7章 抱える課題」。そこにはこうあります。

現在クックパッドのインフラチームが唯一抱えている問題は、インフラチーム外との情報共有の面だ。 アプリケーションの開発チームとインフラチームはグループとしては別の組織として動いているため、 情報の共有がなかなか難しくなっている。(中略) まさに本書の「16章 アジャイルインフラストラクチャ」で述べられているような、 開発と運用の緊張関係に似たようなものがときに垣間見えるのである。

正直、ちょっとドキっとしました。

と、同時に「ムム、そうなのか?そこまででもないんじゃないかな??」と業務を省みることも。 そんなことをもやもや考えながら、まえがきから読み直しました。

ウェブオペレータ

話は前後しますが、本書はウェブオペレータ、本書の言葉をそのまま借りると「ITシステム管理の専門分野で、ウェブアプリケーションの開発、運営、保守、調整、修理を含む」業務を担当するエンジニアたち、のさまざまな知識と経験をもとにしたエッセイ集です。アジャイルのプロセス、継続的デプロイ、RDB/NoSQLなどのDB、ストレージ、キャリアについてなど、ウェブオペレータの目線からの内容はかなり多岐にわたりますが、翻訳の角征典さんの文章がとても綺麗で、非常に読みやすい1冊でした。

個人的には「4. 継続的デプロイ」「10. 開発と運用の協力と提携」 「13. 障害を活用する:ふりかえりの技芸と科学」「16 アジャイルインフラストラクチャ」あたりが特に読んでいて面白かったです。 リリースされるサービスをどういう視点でインフラはサービス開発エンジニアと協力していくべきなのか、 品質を保ちながらリスクを少なくリリースを行いつづけるための試行錯誤など、ウェブオペレータとしての生々しい声がグっときました。

このあたりについては、16章の最後にある文章が印象的です。

「アジャイル」は間違って理解、使用されることが多い。「2週間ごとに動くソフトウェアを提供する」開発者の犠牲になっていたら、 本当に申し訳ないと思う。彼らは、自分たちの行動をよく理解していないだけなのだ。悪気があるわけではない。 是非、彼らを助けてあげてほしい。それがあなたの助けにもなる。お互いに助け合いが必要だ。
(中略)
1つの考え方や観点に囚われてはいけない。最善のアイデアは文化が衝突したときに出てくるものだ。 優れたものを見つけたら盗め。理解できたら活用しろ。できるようになったら還元だ。
「アジャイル」になるかどうかなんか気にするな。「すごい」人を目指せ。
技術的な問題を解決するのは人だ。
みんなで幸せになろうよ。

日本の料理のインフラ、ふたたび

1冊まるまる読み終えてもう一度、最初に気になった18章の箇所を読みなおすと、なんかスっと納得できた気がしました。 あぁ、そうか。僕はインフラチームの取り組みを理解できていなかったし、理解していたつもりになっていただけだった。 普段のSkype上での会話と週1のエンジニアミーティングで情報共有は大筋できていたと思い込んでいたけど、 そんなレベルじゃ全くダメだったんだな、というのが1冊読み終えた後の率直な感想です。

今はプロジェクトによっては、サービス開発のプロジェクトにインフラエンジニアが最低1名Joinして、 一緒にサービスを創り上げることも試行しています。 スケールの問題はまだありそうですが、最初の問題の1つの解としては挙げられそうです。 実際、僕のいるグループにhmskさんがJoinしていた時は、物理的な席もすぐ近くにいたので、 インフラ面での相談もしやすく、圧倒的な安心感がありました。

そんなわけで

本書はインフラエンジニア(ウェブオペレータ)の方が読んでも、「そうそう、そうだよなぁ(ニヤニヤ)」と 納得感があるものも多く面白いでしょうが、むしろサービス開発エンジニアこそ読むべき1冊ではないでしょうか。 より高速に価値の高いサービスを産み続けていくためには、 パっと出のアイディアと強引な実装だけで成立しつづけるものではありません。 サービス開発エンジニアとインフラエンジニアがいかにして協調しあうべきなのか。

一度じっくり考えさせられるきっかけになる一冊だと思います。

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